
野生動物を撃退!鳥獣被害対策もロボットの時代
この記事では、オオカミロボット「モンスターウルフ」について解説します。
結論としては、音や光などの刺激と組み合わせるだけでなく、設置場所やタイミングを定期的に変える(常に新鮮な脅威と思わせる)ことが大切です。
目次
オオカミロボット「モンスターウルフ」とは?
モンスターウルフは、北海道の太田精器が開発した狼型の動物撃退ロボットです。
クマやシカ・イノシシが天敵として恐れるオオカミの姿をしています。
センサーが動物の接近を感知すると、約90デシベルの大音量と50種類の音声パターン・高輝度点滅LEDの光と動きで威嚇します。
ちなみに約90デシベルは、カラオケルーム室内と同じ音量です。
50種類の音声パターンの中には、オオカミ以外にも人間の声も選べて「消え去れ!」などの大きな音声を発します。
すでに、福井県南越前町や鹿児島県伊佐市で、農地・山間部の住宅・ゴルフ場など幅広い現場で導入が進んでおり、今年は例年の3倍以上注文が入っているそうです。
なぜオオカミなのか?
いまのクマたちはオオカミが絶滅してからの個体であり、オオカミの姿にはたして効果はあるのでしょうか。
答えとしては、シカ・イノシシ・クマなどの野生動物は、オオカミを天敵として遺伝子(DNA)が記憶しており、本能による恐怖の刷り込みを利用することで、長期間にわたって高い効果が期待できるのです。
科学的に証明されている有名な実験があります。
- 生まれてから一度も外に出ず、天敵であるキツネやネコを見たことも匂ったこともないマウスを育てる
- マウスの前にキツネの排泄物やネコの匂いを置くと、マウスは激しいパニックを起こすか、体を完全に硬直させる
経験による学習ではなく、自動的に危険を察知する脳の回路が、遺伝的に組み込まれていることが証明されたのです。霊長類における「ヘビ」に対する恐怖も、DNAに刻まれていると考えられています。
モンスターウルフについてのコメント
モンスターウルフについての、コメントをまとめてみます。
クマ相手にどれほど効果があるかは未知数だ。出現も農地だけとは限らないから、設置する場所の選定が難しい。
動物は音慣れしてしまうというが、50種類も音が入っているとなかなか慣れないものなのだろうか。
熊って相当賢いですよ。学習してしまうことも視野に入れた方が良いかと。学習機会を無くすためには、学習して帰らせない罠の方が重要かと。
一定の効果はありそうですが、根本的な解決にはならないという意見もあります。
しかしこのモンスターウルフ、大音量を出すモンスタービーム(初号機)の商品化から、10年以上の試行錯誤を繰り返して誕生しています。

モンスタービーム(初号機)
従来のモデルは威嚇音が大きく騒音になるため、市街地や住宅街には置けないというデメリットがありましたが、スピーカーを改良し一方向にピンポイントで音が届く仕様に改良されています。
野生動物に対して高い威嚇効果が報告されています。効果は期待できるでしょう。
モンスターウルフの機能・スペック
メンテナンスもほぼ不要で、維持費用もかかりません。
人も逃げるでしょうね
大手企業や大学も注目するモンスターウルフ
固定式だった「モンスターウルフ」に、スズキが電動台車「MITRA(ミトラ)」、ドコモが測位衛星システム(GNSS)を提供し、自律走行を可能にしたモデルが開発されています。
クマ対策のカバー範囲が広がります。2027年度以降の実用化を目指しています。
また東京大学もガソリンで動く草刈り機を改造し、人工衛星とのGPS通信で自動周回させるロボットを研究しています。

移動範囲が広がっていい!熊よけスプレー噴射したらさらにいい!!
モンスターウルフは買えるのか?
価格:1体 605,000円(税込)
レンタル:月額23,100円(税込)〜
現在は鳥類などを追い払うオオワシ形のロボット「モンスターイーグル」や、熊撃退の携帯ぬいぐるみ「モンスターウルフミニ」も開発中とのことです。

何台設置すればいい?
1台あたり半径10〜15m程度が有効範囲の目安です。広い農地や複数の侵入口がある場合は、2〜3台の分散設置が効果的です。
まとめ
モンスターウルフは、農薬・電気柵に頼らない次世代の害獣対策として高い評価を受けています。
幅広い野生動物に対応し、設置の手軽さと維持費の低さが大きな強みです。
慣れ対策として定期的な場所移動をセットで行えば、長期間にわたって畑や農地を守ることができます。
ニホンオオカミを絶滅させた日本人が、オオカミロボに頼るというのは皮肉ですが、クマによる人や家畜、農作物被害が少しでも減ってくれるといいですね。
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